Adobe Illustrator(イラストレーター)は、ロゴや名刺、チラシ、ポスターなど、印刷物からWeb素材まで幅広く使えるデザインツールです。
でも、初めて触ると「どこから始めたらいいの?」と戸惑う方も多いはず。
今回は、Illustratorをこれから始める初心者さんが、まず最初に覚えておきたい5つの基本をご紹介します。
1. アートボードとレイヤーの役割を知る
Illustratorはアートボードという紙のような画面上に、レイヤーという透明なシートを重ねて作業していきます。
最初に理解すべきは、どこに何があるのかを把握すること。
- アートボード:作品の“仕上がりサイズ”
- レイヤー:パーツや要素を整理する透明な“引き出し”
データが複雑になってもレイヤーをきちんと分けておくと修正がしやすくなります。


2. 選択ツールとダイレクト選択ツールの違い
Illustratorでは、オブジェクト(図形や文字)を選んで動かしたり、形を変えたりできます。
このとき使うのが「選択ツール(黒い矢印)」と「ダイレクト選択ツール(白い矢印)」。
- 選択ツール:1つのオブジェクト全体を選ぶ
- ダイレクト選択ツール:オブジェクトを構成するパスやアンカーポイントを個別に編集できる
この2つを切り替えて使うのが、Illustrator操作の基本中の基本です。

3. 図形の描き方とパスの考え方
Illustratorは「パスで描く」という考え方がベースになります。四角や円を描く時は、それぞれのツールを選択するのですが、実はそれも“線と点”で構成されています。
- 線=パス
- 点=アンカーポイント
図形ツールで描いたものは、あとから形を変えたり、色を変えたりできるのが魅力です。
「図形を描く→編集する」という基本の流れを覚えましょう。
4. 線と塗りの違いを理解する
図形には「塗りの色」と「線(輪郭)の色」があります。
最初のうちは混乱しがちですが、この違いが分かると、思い通りのデザインがしやすくなります。
- 塗り:図形の内側の色
- 線:輪郭の色と太さ
左下にある「塗り/線の切り替えボタン」も使いこなせるようにしておきましょう。ちなみに赤い線が斜めに入っているのがありますが、これは「透明」になります。

5. 保存形式とデータの扱い方
Illustratorで作ったデータは、「ai形式」で保存されます。
しかし、印刷に使う時はai以外にも印刷用PDFに変換したり、他の人に見せたいときは、PNG、JPGなどへの書き出しが必要です。
- 編集用:.ai(Illustratorデータ)
- 印刷用:.ai(Illustratorデータ)、.pdf(印刷用)
- 共有用:.pdf(プレビュー用)、.png(背景透明)、.jpg(写真形式)
目的に応じて形式を使い分けるのも、大事なスキルの一つです。
最後に
最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、一つひとつ慣れていくことで表現の幅がぐんと広がります。
Adobe Illustratorは、やればやるほど楽しくなるツールです。
「完璧に使いこなそう!」と気負わず、まずは簡単な図形やポスター作りから始めてみましょう。
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