なぜオリジナルはこんなに高いの?シリーズ2では、商品作成のそもそもの目的の違いを確認していきましょう。

目的の違い

既製品や安価な業者

既製品を販売している業者の特徴は、1つの仕事に対する目的が「ラクして早く売って売り上げを上げること」です。オリジナルアイテムを作っている事務所とは全く異なります。

「そこまで言わなくても…」と思われる事でしょう。実際に依頼をすれば、担当者の対応も良く、そんな風には思えないといった体験をした人もいると思います。

しかし、実際はすごく単純です。

「依頼者に気持ちよく買ってもらうため」と言う気持ちはもちろんありますが、その理由は、オリジナルアイテムを作っている事務所とは異なり「余計なツッコミや要望を防ぐ」という狙いがあります。

つまり、あまり業界の事を知らない素人さんとしか相手にしません。ちょっとでも玄人のようなツッコミをすると態度が一変して、ものすごく面倒くさいと言わんばかりの態度で接してくれます。(実験済)

また、提供者である業者は、売れた後の事は全く考えていません。売ったものがどうなろうと関心がそもそも無いのです。なぜなら、売るのが目的なので、売ったら次!売ったら次!といった具合。

もちろん作った喜びを伝えれば嬉しいとの返事は帰ってきますし、口コミのように自社サイトに掲載するところも多くあります。逆に良くなかった意見を伝えるとせいぜい定型文並みの返事が返ってくる程度です。その後の展開は望めません。

オリジナルの事務所

一方オリジナル商品を提供している業者の目的は、「依頼者の問題を解決する事」であって、商品の作成それ自体は「目的のための手段」に過ぎません。

そのため、オリジナルで作る場合は、考える事が自然に増えます。単純にアイテムをそのまま作るだけなら「入れる情報」だけもらって流し込めば済む話です。しかし、オリジナルの場合は、「見えないデザイン」も考えなければなりません。

「掲載するところでないのだから、そこまで考えなくても…」とおっしゃる方もいます。しかし、見えないデザインをしているからこそデザイナーが作ったアイテムには、センスを感じてしまうのです。

これは、単にデザイナーのセンスが良いというわけではありません。目に見えないところまで考えて、人の感覚で伝わるように、あるいは自然に流れを作るようにして人に気づかれないようにデザインしているからこそ、デザイナーのセンスではなく見る人のセンス、利用する人のセンスがそのデザインの良さに自然と気づくわけです。

デザイン事務所に「簡単でいいから」「この通り作ってくれれば」「その代わり安くして」といった要望がたまにありますが、依頼者側が依頼する目的を「アイテムを作る」ところで留まってしまっていては、「アイテムを作れば問題が解決する」と結論付けてしまっていると容易に想像がつきます。仮に作ったところで依頼者がアイテムを有効活用しなければ、せっかくの効果が激減してしまうので、デザイン事務所側は、たとえラクな仕事とはいえ嫌がるところは多いです。デザイン事務所が第一に重要視しているのは、依頼者の利益です。

このように、目的の違いだけで業務の幅や量が大きく異なります。これを安価で売っている業者の見積もりと金額だけで比べるのはナンセンスです。なぜなら、やっている事が全然違いますので、金額以外の中身についても同じように比べた上で、依頼者として何を求めているかを検討する必要があると思います。

 

なぜオリジナルはこんなに高いの?シリーズ2

でした。

カテゴリー: Blogデザインの現場

富田 學

富田 學

富田 學 Design Management Office FAVORIS-代表(デザインマネジメント オフィス ファヴォリス) 外部デザイン専門家/Art*Flag/アーティスト活動・支援/クリエイト研究会-会員/マーチングバンド-カラーガードセクション歴14年/ビジュアルコーディネーター/色彩コーディネーター/(楽しいとき)活動促進するプロセスを共有できているとき (得意なこと)本質的な問題を模索したり、既存のアイデアにプラスアイデアを追加・別の視点で提示すること (嫌いなこと)議論・結論が曖昧な話し合い

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